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2020.05.07 「桜とお堀」の昔からあるまち

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「桜とお堀」の昔からあるまち

真っ赤な鳥居の目の前を2車線道路が横切る。

道路を挟んで変に細長い空き地が広がっていて、

昔はこっちまで参道が伸びていたのかなあ、

なんて想像を膨らませながら歩みを進める。

「金峯神社」と彫られた鳥居の足もとから先を見渡してみるが、長いこと長いこと。

ずーっと向こう目がけ、辺りを見回しながら歩いてみるが、何やら私の知っている「参道」と様子が違う。

中や傍に民家がポツポツと並んでいて、住人は参道と重なりながら日常を送っているようだ。

まるでどこかの国の「広場」みたいな感覚。

やがて甲高い声が聞こえてきて、その声は次第に大きくなっていく。

声の正体は満開の桜の下を駆けていた。桜の横には長方形の池、いや、もしかして城のお堀…? 

Googleマップで現在地を拡大してみると「蔵王堂城跡」の表示。いつの間にか城跡に足を踏み入れていたようだ。

堀の内側は小高い盛土となっていて、そこにも満開の桜、そしてちびっ子たち。

案内看板によると蔵王堂城の歴史は南北朝時代にまで遡るそう。

今はもう、人が掘って盛ったのかそれとも自然がつくったのか、分からないほど角の取れた地形がそこにある。

間もなくしてちびっ子たちは、先生を先頭にどこかへと帰り、お堀の周りは静けさを取り戻した。

ここには何だか不思議な安心感が漂っている。

私や、私の日常とは無関係に、これまでもこれからも流れ続ける長大な時間感覚がその源泉なのかもしれない。


歩いたところ

  • 長岡市西蔵王

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